映画と時計

映画と時計㉙ 【懐中時計】

こんにちは、営業部の清水です。
今回はデルトロ監督の『パンズ・ラビリンス』です。

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画像引用 : 2006 墨・西・米 / Pan’s Labyrinth / Picturehouse(IMDb

家族連れや低年齢層を狙った魂胆がミエミエの、なんだか夢見る少女がおとぎの国に迷い込んでうんたらかんたらな映画っぽい日本向けポスターに騙されて、いそいそと劇場に足を運んでトラウマになった方も多いと聞く本作。

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↑水〇希子似の少女

舞台は内線後のスペイン。母親の再婚によって独裁政権軍のヴィダル大尉のもとに引き取られた少女オフェリア。ところが新生活に夢を膨らませてやってきたオフェリアに容赦ない残酷な現実が突きつけられるのです。

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↑とても恐ろしい大尉

反対勢力掃討に躍起になり、残虐極まりない行為を繰り返す大尉。大尉の機嫌を伺い言いなりになるしかない母親。自由と権利の為に暗躍する反対勢力たち。

そんな息苦しい生活の中で迷宮の番人「パン」と出会ったオフェリアは、自分は地底の国のお姫様だと告げられ、それを証明するため3つの試練をクリアしなければならなくなるのです。

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↑とても恐ろしい番人

ダーク・ファンタジーというジャンルですが、かなり残酷なシーンが多いです。そのため↑のポスターにも関わらずR12指定です。どんな冗談だ。オフェリアが迷い込むおとぎの世界も、夢々しいパステルカラーじゃありません。

ギリシャ神話の牧羊神「パン」をモチーフとした番人はじめ、なかなかリアルでグロテスクな造形の妖精やクリーチャーが登場します。人外キャラクターだけでなく、建物の内装、植物や小物など、美術面のすべてに監督のこだわりが強く出ています。

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↑とても恐ろしいぺイルマン

その中でヴィダル大尉が大事に持っているのが亡き父の形見の懐中時計。大きなタマネギリューズに凝った針が美しいです。

セリフや演技ではなく、時計を介して心情を伝える手法は多くの映画で見られます。今作でも父親との切ないエピソードと併せて、大尉の人となりを伝える重要なアイテムです。

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ですが洗面器の真横に置いて顔を洗ったり、雨の中ためらいもなく取り出したりなどなかなかワイルドな使い方をするので、ほんとに大事なのかよとハラハラしましたが、大尉は自分で修理もできるので、防水なんて気にしないのでしょう。最後には良い役割を果たしてくれました。

この『パンズ・ラビリンス』を、俳優と映像をさらに美しくしたのが『クリムゾンピーク』です。経歴も風貌も完璧すぎて本当は実在しないのではと言われているトム・ヒドルストンが出演してます。妖艶な映像美は素晴らしいのですが、最終的には女ふたりのデスマッチにまで発展するというとんでもない内容で、ゴシック・ホラー・ギャグとして楽しい作品です。

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画像引用 : 2015 米 / Crimson Peak / Universal Studios(IMDb

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