映画と時計

映画と時計⑳ 【ハミルトン】

こんにちは、営業部の清水です。
今回はSF映画の金字塔『2001年宇宙の旅』です。

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画像引用:1968 米・英 / 2001 A SPACE ODYSSEY / MGM (IMDb)

この作品ではいくつかのクラシックの名曲が使われています。今でこそ映画にクラシックが使われるのは手法のひとつですが、そのスタイルを広めた作品でもあります。それを生オーケストラの演奏で観ましょうというなんとも贅沢な趣向の『ライブ・シネマ・コンサート』で観ました。

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オーケストラの演奏は素~~晴らしく美しく、音に透明感があって雑味がなく、紡がれる数々の名曲は大変心地よかったです。演奏は日本フィルハーモニー交響楽団。

メインタイトルと第1パート、ラストに使われたシュトラウス作『ツァラトゥストラはかく語りき』は、この作品の象徴となるような1曲です。(パァ~ンパァ~ン、パパーーーンってやつ)

カップ麺か何かのCMの曲だ~などとマヌケなことを思いながら、冒頭15分近くにも及ぶ猿のシーンですでに舟をこぎ、宇宙船の内装で覚醒したけれど、世界会議でまた猛烈に眠くなり、隣のご婦人に至っては中盤完全に寝落ちしていました…。いや~難解でした。

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↑猿のシーン

そんなことはどうでも良く、この作品の特筆すべきは、「制作時にまだ人類は月に行っていない」ということです。(1969年のアポロ11号計画が人類初の月面着陸)1950年代終わり~60年代中盤にかけて無人の月探査が行われていましたが、映画制作時のほんの数年前です。

月や宇宙の情報が現代より圧倒的に少ない状況でのあのディスカバリー号の船体、内装のデザイン!!アニメーションで製られた星々の煌めきや、宇宙光線の美しく雄大な輝き!!2016年の今であっても色褪せず未来的でリアリティを感じるのは、徹底した考証を元にした演出とビジュアルにあると思います。

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キューブリック監督はこの作品を作るにあたって、天文学者、科学者、生物学者など等ありとあらゆる分野の専門家に助言を求め、さらにはNASAの協力も得て完璧なる宇宙物語を作り出したのです。

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↑内装はヒルトンホテルだそう

ここで有名な逸話が。作品の構想段階で、キューブリック監督から手塚治虫先生に美術面での協力依頼があったそうな。当時の手塚先生はアトムのアニメが始まった頃で超多忙で、泣く泣く断ったそうです。

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↑ NASA謹製特別宇宙食

そして監督が協力を仰いだ相手がもうひとつ。アメリカのハミルトンに、作中使用の腕時計と置時計を依頼しました。1960年代前半当時に、約40年先の時代にあるであろう未来的なアイテムを依頼されたハミルトン。

「未来を象徴する作中の時計は、革新的で想像力に長けたハミルトンでなければ作ることはできないだろう」というのが監督の発言。

世界初のクオーツ時計を発売したとされるのが、1969年セイコーアストロンです。ちなみにカラーテレビが普及したのが1964年頃。つまり液晶ディスプレイもクォーツ時計も一般的でなく、デジタル表示(携帯型では)も、LEDもそうです。さらに言うと液晶表示電卓は1973年です。

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電卓すらない時代に作った時計は、地球時間をメインダイヤルに、月・日付・宇宙時間(GMT)の3つのサブダイヤルを搭載し、湾曲した長方形に一体型のラバーを付けた、多機能型未来時計。しかも手巻きムーブを搭載し「一応動いた」らしいです。(作中小物で一般発売はされなかったので実動は問題外)宇宙時間が表示される時計なんて、ロマンチックすぎる!

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そして2006年に2001本限定で発売されたトリビュートモデル「X-01」がこちらです。

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これ(に極めて近いモデル)を1960年代に作ったのですから、監督のアイディアと想像力、それを具現化したハミルトンの造形力には感嘆の意しかありません。

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