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【電池交換】やり方&失敗トラブルを時計修理専門スタッフが解説!

こんにちは!
宝石広場 時計修理センター 渋谷】時計修理スタッフの藤本です。

私事ですが、先日約10年ぶりにクォーツ式時計を購入しました!

↑SEIKO マリーンマスター
個人的に機械式時計レベルの誤差は気にならないのですが、精度が良く月差+4秒!
ここまで精度が良いとは思いませんでした!

今回は、クォーツ式時計の基本的なメンテナンスの『電池交換』について、自分で電池交換をやる方法失敗例などを詳しく解説いたします。

腕時計で必要な「電池交換」とは

腕時計は大きく分けて、ゼンマイがほどける力で動く【機械式時計(自動巻き・手巻き)】と、電池で動く【クォーツ式】の2種類が存在します。

電池で動く「クォーツ式」時計とは

クォーツ式時計の仕組み

「クォーツ式」時計とは、腕時計だけではなく壁掛け時計や置時計などの電池が動力源の時計です。

クォーツ式時計を構成する主要パーツ<歯車・電子回路・電池・水晶振動子>の水晶振動子に電圧をかけると一定の周波数で振動する性質を用いて時計を動かします。

クォーツ”という名称は、水晶振動子(Quartz Crystal Unit)を構成する天然の鉱物”水晶”(石英)に由来します。

機械式時計は腕の振りやリューズを手巻きしてゼンマイを巻かないと動作が止まってしまうように、クォーツ式時計は電池を少しずつ消費しながら針を動かすので、いつかは電池残量が無くなってしまいます。
電池の残量が無くなったら、残量が有る電池に交換する作業【電池交換】が必要になります!

↑動力源の電池がセットされたクォーツ式時計のムーブメント

時計用の電池の種類と寿命

クォーツ式の腕時計には、”ボタン電池”と呼ばれる【酸化銀電池】や【二酸化マンガンリチウム電池】が使われています。

腕時計に収まるサイズですから、小さく薄い必要がありますよね。

↑乾電池と比較すると大きさは一目瞭然!

酸化銀電池・二酸化マンガンリチウム電池どちらにもサイズや厚みなど規格があり、径や厚みのサイズが合っていれば世界中の様々なメーカーの電池が使用できます。(当店では国産メーカーのボタン電池を使用しておりますが、寿命の長さなどの性能差はございません。)

酸化銀電池(SR電池)

SR電池と呼ばれる酸化銀電池は、セイコーからパテック フィリップまで様々なメーカーで使われており、新品でおおよそ1.55Vの電圧で、寿命は約2年が平均的です。
電池に刻印されてる数字は直径と厚みの値で、「626」であれば「直径7mm弱・厚さ2.6mm」となります。6~9mmサイズが一般的で、腕時計以外では補聴器などに用いられる小型化されたボタン電池です。

 

二酸化マンガンリチウム電池(CR電池)

CR電池と呼ばれる二酸化マンガンリチウム電池は、ブライトリングのエアロスペースなどの多機能モデルやサイズがやや大きめの時計で使われる事が多く、新品でおおよそ酸化銀電池の約2倍の3.0Vの電圧があり寿命は約3~4年が平均的です。
電池に刻印されてる数字は直径と厚みの値で、「1616」であれば「直径16mm・厚さ1.6mm」となります。1円玉ほどの大きさで薄型設計のため”コイン電池”とも呼ばれ、様々な電子機器のメモリーバックアップなどで使われています。

※クロノグラフなどの機能が付加された時計は、それらの使用状況により寿命は早まります。
※どちらの電池も、駆動部分の潤滑油の劣化や駆動パーツの摩耗などが発生すると、動作するために通常時よりも多くの電力を消費するようになり、早く寿命が尽きてしまいます。

また、新品の時計には製造時にセットされたモニター電池(様子を見るための電池)が入れられており、それがそのまま販売されるので、ご購入からそんなに時間が経っていないのに止まってしまうという事は決して珍しくありません。

電池が切れそうなサイン

一部メーカーのクォーツ式時計では、セットされた電池の寿命が残りわずかという状態が針の動きで分かります

ムーブメントによって、2秒ごとに進む【2秒運針もしくは、4秒ごとに秒針が進む【4秒運針】状態となります。

時間は合っているのに秒針の動きがいつもと異なりますので『故障した!』と勘違いされる方もいらっしゃいますが『もうすぐ電池寿命が切れます』という、電池交換をお知らせする機能です。

一定のリズムで動いた後、しばらくすると電池が切れて止まってしまうので、電池交換が必要となります。

※秒針の動きが変則的であったり時刻がズレる場合は、電池交換のサインではなく、故障の可能性が高いです。

電池が切れた時計の対処方法

止まっているのに気がついたら、まず電池を交換しましょう!

機械式時計は、構成パーツ数が多くデリケートな構造のため調子が良くないとオーバーホール(何も問題なくても約3~5年に1回をオススメ)が必要です。

しかし、クォーツ式時計は構成パーツ数が少ないため止まっても毎回オーバーホールをする必要はありません。
※さすがにメンテナンスフリーではありませんのでいつかはオーバーホールが必要になります。

厄介なのが、電池に封入されている電解液が漏れ出てしまう=液漏れと呼ばれる現象です。

↑電池の裏面に電解液が漏れ出て付着しています

電解液は透明の液体ですが、乾いて時間が経つと白や水色に結晶化します。

液漏れは経年劣化した電池をそのまま放置していると起きやすく、電池から漏れ出た電解液が触れたパーツを劣化させ、結晶化した電解液が駆動部に挟まって時計が動かなくなってしまうため、オーバーホールが必要になってしまいます!

電池から漏れ出た液はムーブメントにも悪影響を及ぼします…。

↑電池がセットされていた周囲に液漏れによるムーブメントの劣化が見られます

漏れた液量にもよりますが、ここまで深刻なダメージになる場合もありますので、ご注意ください。残念ながらこのような状態では新しい電池をセットしても正しく動作しない可能性が非常に高く、オーバーホールが必要となります。

電池交換は自分で出来る?

懐中電灯やリモコンの乾電池のように、腕時計も自分で電池交換が出来るのでしょうか?

ズバリ答えは、出来なくはないが結構リスキーです。
バイクや車のオイル交換を自分でやるかショップに任せるか問題に近いですね。

自分でやる電池交換の手順

電池交換の流れは以下の通りです。

①蓋を開ける

⇒スクリューバックオープナーや精密ドライバーなどの専用の工具を用いて固く閉じられた裏蓋を開けます。

②電池を入れ替える

⇒素手ではなく必ずピンセットを用いて、古い電池を取り外して新しい電池をセットします。

③蓋を締める

⇒ゴミや異物が入らないよう専用の工具で正しく裏蓋を締めて元の状態に戻す。

 

※大まかにこのような流れですが、技術や知識や経験が無いと正しく作業が完了しません。

↑電池交換のイメージ画像↑

細かいパーツが多数組み込まれたムーブメントの、正しい位置に電池をセットしなければならない、専門的なスキルと高い集中力が必要な作業です

誤った作業によって、精度や時計本体の寿命に影響を及ぼす場合がありますので、ご自身で腕時計の電池交換をする場合は自己責任で慎重にお願いいたします

電池交換に必要な工具

電池交換に必要な工具をご紹介します。

●ピンセット(金属とプラスチック/竹それぞれ1つずつ)
●精密ドライバー
●パッキン用シリコングリッサー(油塗布器)
●粘土状クリーナー
●裏蓋を開ける器具/工具
●裏蓋を閉める器具/工具
●スクリューバックオープナー

●方位磁石
●時計固定台

●磁気抜き機
●電圧測定器

などなど画像に写っていない、有ると便利な物も含めて多数の工具が必要です。
数年に1回の電池交換の為にこれだけの工具を保管するのは大変です。
しかも、適切に保管しないと錆びたり劣化してしまうので、磨いたり研いだりと工具のメンテナンスも必要になります。

電池交換できない時計&失敗例

自分で電池交換できない時計

電波時計やソーラー時計や多機能時計などに使われている、二次電池=充電池は特殊電池なのでメーカーサービスセンターでの交換をご案内する事になってしまいます。

その他、ワンピース構造(裏蓋が無いタイプ)のSEIKOプロスペックス マリーンマスターの様な防水性能が非常に強く専用工具が必要な時計や、Sinnの一部のダイバーズウォッチに採用されている「ハイドロ・システム」の様に時計内部にオイルが充填されているような特殊モデルは、当店でも電池交換が出来ません。

ご自身での電池交換した場合の失敗例

パーツを失くす/壊す

素手でパーツを触ると皮脂や汚れが付いてしまうため、ピンセット必須の細かい作業です。
誤ってパーツを失くしてしまう可能性が非常に高く、微細なパーツなので見失うと発見するのも困難だと思われます。

また、力加減が分からず電池の端子などのパーツを変形させたり折ったり壊してしまったりも大いに考えられます。

蓋をネジで留めているタイプですと、そのネジが固着して回せないにも関わらず、そのまま力をかけるとネジの軸部分と頭部分が分裂してしまう危険性もあり、電池交換できても蓋を完全に閉められない!という状況になりかねません。

ホコリやゴミの混入

ご自宅のベッドや衣類が多い空間では時計内部にホコリが入らないようにするのは非常に難しいです。
クォーツ式時計は、ホコリが歯車に引っかかっただけでも動かなくなってしまうほど弱い力で動いているのでクリーンな作業環境が必要です。

傷をつけてしまう

時計用の精密ドライバーやピンセットの先端は非常に細く尖っているので大きな傷や打痕をつけてしまう事は想像に難くないです。傷の深さや位置によっては外装研磨しても消せないかもしれません。
外装部だけでなくムーブメントも、髪の毛より細いコイルを切ってしまうと全く動かなくなってしまいます。

電池交換の最適な修理依頼先は?

クォーツ式の時計の場合、定期的に必要となる大切なメンテナンス作業「電池交換」はどこに依頼するのが正解でしょうか?

電池交換の依頼先はどこが正解?

デパート内や路面に店を構える時計ブランドの公式ブティック、鍵のコピーや靴の修理などと共に電池交換を行っているリペアショップ、大手家電量販店の時計売り場併設の修理部門、古い時計から最新モデルまで時計専門の修理やオーバーホールを行っている時計修理専門店、どこが電池交換でオススメでしょうか?

今すぐ電池交換して使いたい、1円でも安く電池交換したい、メーカー以外の修理は心配…などそれぞれのメリット/デメリットが有りますが、時間・作業クオリティ・費用をトータルで考えますと、後述しますが時計修理専門店に多くのメリットがあるので時計修理専門店での電池交換をオススメいたします。

『時計修理センター渋谷』では、電池交換を約15分~20分の作業時間で、基本料金2000~3000円より作業しております。(混雑状況により作業時間、時計の機能や構造、モデルなどにより基本料金は変動します)

▷ 宝石広場 時計修理センター渋谷の電池交換について【時計修理センター 渋谷】電池交換について

時計修理専門店で電池交換するメリット

当店『時計修理センター渋谷』のような時計修理専門店に電池交換を依頼するメリットは何でしょうか?

↑カルティエのクォーツ式ムーブメント

当店は創業より30年、年間4000本の時計の修理・メンテナンスを行う高級時計専門店です。
電池交換に適した環境と設備があり、電池を各種ご用意、そして電池交換で直らなかった場合のオーバーホールのご提案もできます!

定期的に必ず訪れる「電池交換」という基本的な作業ですが、やはり精密機器に人の手で触れての繊細な作業なので、取扱実績が多い、経験豊富な修理専門スタッフが作業する時計修理専門店での作業をオススメいたします。

電池の寿命には直接影響しませんが、当店では国産メーカーのボタン電池を使用しております。(他には製造時からセットされているモニター電池に多いスイス製メーカーやアジア製のボタン電池が流通しています)

定期的に訪れる『電池交換』のタイミングで、さらに分解して点検整備する『オーバーホール』や、使用して付いた傷を綺麗に磨く『外装仕上げ』などの他の整備メンテナンスサービスを経験豊富な修理専門スタッフよりご提案させていただきます。

スマホと近づけ過ぎた際に発生する『磁気帯び』トラブルの対応や、『ブレスレットサイズの調整』や『ベルト交換』、正しい時計の使用方法や安全な置き場所など、時計に関する様々な疑問や質問にも個別に対応いたします。

もし時計に何かトラブルが生じた場合、お気軽にお問い合わせください。
他店で購入されたお時計でも修理対応いたします

遠方にお住いのお客様は、発送での修理対応も承っております。

▷ 宝石広場 時計修理センター渋谷の電池交換について【時計修理センター 渋谷】電池交換について

まとめ

自分で電池交換をするには、時計をメンテナンスする工具のメンテナンス、その工具を保管するスペースや作業するスペースなどの電池交換に適した環境をつくる必要があります。

100円ショップやAmazon、家電量販店で電池を入手できても、自分で腕時計の電池交換をするのは意外とハードルが高いのです。

当店では日常的に電池交換を行っておりますので、安心かつ迅速に電池交換できる環境が常に整っています。

なんと言っても、フランク・ミュラーの電池交換も対応しております!
「他店で断られて困っていた」「普通に対応してもらえて助かる」とご好評いただいております(^^)

安心して時計を末長く使うためには、私が以前に書いた『デイリーケア』に関する記事も是非ご覧ください!

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ご相談はいつでも承っておりますので、お気軽にお問合せください。

また次回のブログにご期待ください!それでは(@_@)!

▷ 時計の電池交換だけでなく何でもお気軽にご相談ください【宝石広場 時計修理センター 渋谷】

 

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