買取り・下取り

ヴィンテージのポケットウォッチの鑑別方法をご紹介【貴様、何者だ!】

買取部、アイバです。

今回は、古い時計の鑑別法を新入社員に聞かれたので、ついでといってはなんですが、皆さまにもご案内する事にしましょう。

メーカーすら不明の古いポケットウォッチを鑑別

ここに古いポケットウォッチがあります。メーカー名も入っていないこのポケットウォッチ。

何者なのでしょうか・・・

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少々、面倒ですが、考えてみましょうか。

 

どこから手を付けていきますかね。

 

外装の情報から読み取れること?

とりあえず、表面上の情報から見てみましょう。

ダイヤルは彫金されており、針も割合と手のかかった仕様です。

裏蓋を見れば、ギョーシェが施されていますが、どこか不自然・・・と言うよりはっきり言って薄い。

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リューズはダボ押しタイプ=?

リューズはダボ押タイプです。blog4ここから考えられるのは、ものすごい高級品ではありませんが、それなりに高かったであろう1900年前後の時計であること。

ダボ押しは1900年くらいの製造が多いですから、年式はその前後20年位ではないかと。

彫金はそこまで細かくはないですが、それなりに手が入れられていますので、そこそこの品なのではと考えました。

裏蓋に刻印されている情報でメーカーが判明

裏蓋を開けてみましょう。

そこには沢山の情報がありました。

blog51まず、上から矢印の刻印とメーカー名が見えます。ここでミネルバ製という事が分かりますね。

その下の右がスイスのシルバーの検定印、左がドイツのシルバーの刻印です。純度800のシルバーケースという事が分かりました。

 

その下に「GALONNE 」の刻印。これはシルバーにピンクゴールドのメッキを施したという意味です。

よく見るとケースの淵にピンクゴールドの色があります。blog2

これはデザインではなく、単に淵以外のメッキが剥げてしまったのではないかと。

そう考えると裏のギョーシェが薄いのも納得できます。

 

最後の「AB」のマークは良く分かりませんがケースメーカーのマークかなぁ・・・誰かご存知の方は教えてくださいませ。

 

その他に引っ掻きキズの様なものが沢山ありますが、これは修理した際に職人が自分で行ったことが分かる様に刻んだものです。

5つありましたので、少なくとも5回は手を入れられているわけです。

ここまでわかったヴィンテージ時計の判別法

いかがでしょうか、何となくでも、古い時計の判別法がお分かりいただけたでしょうか。

このほかにムーブメントからも分かることも沢山ありますが、紙面も尽きてきましたので、今日はこの辺にしたいと思います。

 

なお、今回の内容は、個人的な推測の為、間違っていても責任は取りません。

ウーンしかし見事に時計に興味が無いと全く面白くない内容でしたね。