修理・アフターサービス

クロノメーターの精度が実際には出ないこともある|【理想】ままならない【現実】

アフターサービス部の小島です。

みなさんの年末年始はいかがでしたか?私は友人間で恒例となっている忘年会・新年会・運試し兼おみくじ代わりの福袋の買い込み・・・etc・etc・・・・・・・・・それなりに楽しく過ごしています。

ところで福袋。 毎年友人と買いあさり、それなりに使える物が入っているかどうかで年初めの運勢を見ることにしています。今年の結果は、、、。
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 ・・・・・・・・・・・・用途不明のバックが1つ。

サイズと形を見ると書類バック?でもこのデザインはちょっとひどい。ここ数年まともに使える物ばかり当たっていたので、衝撃の度合いが大きいです・・。 なかなか、希望通りの結果とはいきませんね。

C.O.S.C.クロノメーターの精度はあくまで理想

ぐちっても仕方ありません。時計の話をします。

理想と現実。それは時計においてもままあることです。何が言いたいのかというと、精度のお話です。有名なc.o.s.c.クロノメーターってありますね。
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時計の精度試験のひとつですが、なかなかに厳しいテストを行っています。

具体的には、5つの姿勢差(ポジション)と3つの温度差で、15日間かけてムーブメントの精度が検査され、日差が-4~+6秒以内という精度が求められます。

項目

  1. 垂直・12時位置下向き(0-2日目)
  2. 垂直・12時位置右向き(3-4日目)
  3. 垂直・12時位置左向き(5-6日目)
  4. 水平・文字盤側下向き(7-8日目)
  5. 水平・文字盤側上向き(9-13日目)
  6. 再び垂直・12時位置下向き(14-15日目)

(20mm以下のムーブメントは-5~+8秒以内)

当店では遅れないように、との考えからクロノメーターを取得している時計は+0~8秒を基準としています。

試験はムーブメント単体だけど、実際は腕につけて使われる

さて、ココからです。試験は、ムーブメント・機械の状態で行われています。実際使うとき試験とは違って、腕につけて使われます。

ここ、大事なポイントです。

試験では5つのポジションで計測をしますが、実際使っているときの状態はもっと複雑です。

そのうえ、時計をしているときは、じっとしているわけではありません。歩いたり、時には走ったりして使っていますよね。

時計の精度を保っている部品はとても小さく細いため、ちょっとの腕のふりでも割と影響を受けてしまいます。

とうぜん、試験されたものであっても、使えば精度のブレが出てきます。ある程度は仕方ないのでしょうが、1日数分進み・遅れが出るようでは困ります。

計測器で計測しても実測すると少しずれる

そこで、当店で精度を見る時は、まずこちらの計測器で計測しています。r00118481

設定した時間ごとの平均日差を数字でさっと出してくれるとても便利かつ無いと困るものですが、、、。実測すると少しずれます。

計測器は数秒間の平均を出していますが、時計の内部には24時間に2回転しかしない歯車もありますし、日付がついていれば1日1歯しか動かない歯車だってあるのです。
r00113262そこで最終的な検査をするときには、実測をメインとしています。計測器を見ながら調整して、だいたい2週間くらい時計を動かして時間の遅れ・進みを見ます。

時間の遅れや進みが気になるときはお気軽に

もしもお使いの時計に時間の遅れや進みが気になるとき。お気軽にお声をかけてください。
計測するだけならすぐできますし、そこで何か見つかるようなら修理のご提案をさせていただきます。

新年早々やたらと文字ばかりになってしまいましたが、、。今年もよろしくお願いいたします。

  • 修理担当した時計
私が担当しました

宝石広場修理部スタッフ。時計修理技師。時計修理業界歴約20年。

時計の状態確認/点検/判定/故障個所の修理などの技術的な対応から、接客/見積もりまで幅広く担当。

1つ1つの時計に丁寧に向き合い、お客様のお手元に良い状態でお戻し致します。

是非お気軽にお問合せください。

ご依頼方法も様々にご用意しています。
まずはお気軽にご相談ください。

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