みなさん、こんにちは!
アフターサービス部の小島です。
ピーカンの後に大雨が降ったりとよくわからない天気が続きますね。
先日数年ぶりにGWに連休をとり、キャンプ&バイクレースに参戦してきました。
そう、5/2。キャンプ、ひどい目にあいました…
そこそこ水はけのいいとこなのに、吹き荒れる雨風にテントが音を上げて、深夜に浸水。
水の冷たさに飛び起きて、近くの山小屋?に避難して難を逃れましたんですが
翌朝バイクが倒れてました…
あれ、なんか最近同じ話を聞いた覚えが…?
~よみがえる何処かで見かけたあいつのアイツ~
さて5/3~5/4のレースですよ!
トランスポンダっていうのを取り付けまして簡単に周回やラップなんかを記録できるのです。
ちっさいけど、Fフォークにくっついてる青いの。
で、周回地点に置かれてた(たぶん)この時計。
(セイコーのサイトより)
こんな競技使用のタイマーでも±0.04秒/時っていうズレがあることにちょっと驚いたのです。
考えてみたら機能としては十分なんでしょうが、月差、とか年差数秒って時計がある中でこんだけ差があるもんなんだな、と。
ということで。
今回のお話は精度についてです。
よく引き合いに出されるのがクロノメーター精度ですね。
分かり易いのでwikiを参照して、さらにぶった切って抜き出すと
1.平均日差=-4〜+6秒
2.垂直・水平の姿勢差=-6〜+8秒
3.最大姿勢偏差=10秒以内
って事です。いい精度の代名詞として引き合いにだされる
クロノメーターですが、-4~+6ってなら10秒の幅がありますね。
で、測定方法がちょっとしたポイントです。
これ、ムーブメント単体です。
なんでこれがポイントになるかって、ケーシングして、針つけて…ってすると、
ムーブにかかる力加減や、針の重さが加わり、精度も大なり小なり変わってきます。
ロレックスが自社サイトでわざわざ(ケーシング後)って書いているのはそのためですね。

(ロレックスのサイトより)
それで。
俺の(私の)時計はそんな精度出ない!って考えた方。
そうです。
またまだ、ポイントがあるのです。
あえて、上では書きませんでしたが、そもそも精度計測は静止精度、かつ平均精度なのですよ。
文字からなんとなーく想像できますか?
・静止精度
腕に付けたり、ワインダーにかけた状態ではありません。
微動だにさせずに計測姿勢で置いておいた時の精度です。
↓計測時の様に静かに置いた状態

・平均精度
腕時計なら大抵日差なんですが、24時間動かした時24時間後の時間ズレを計測します。
例えば、日差+8秒を謳う時計が、巻上げてから3時間経過時に15秒進んでても
24時間後に8秒進みに収まっていれば良いのです。(ちょっと極端ですが)
さらにさらに大前提として、きっちり巻上げられているかってものすごーーーく大事です。
自動巻きだから巻かないでいい?いやいや、そんな事はないです。
詳しくは前に書いた↓記事参照…
その2 【自動巻き】ロレックスの場合【止まってしまう】vol2
各メーカーとも全巻き状態~止まる手前まで、精度を一定にする為がんばっている(はず)のですが、
私が普段見てる限り、ブレは出ます。
特に最近?はやりのロングパワーリザーブモデルなんかですと
これがなかなか…
某メーカーに電話で問合せてみたら
・全巻き時→計測機の精度を見る
・24時間後→実測値
・その他精度→特に見ていない
あとは。。。そうですね、精度のご依頼を頂く事は多いのですが、
”遅れを直してほしい。ただ、+1秒/日に近づけてほしい。”
なんてお話を頂く事がありますがこれ、すんごい難しいです。
精度って、0~-○○秒と0~+○○秒って分かれているわけじゃないんです。
-○○秒~+○○秒って連続してるんです。
+1秒/日に近いって事は、-○○秒/日に近いって事なんです。
当店の計測も静止精度(腕に付けて計測するわけにはいきませんし)ですので、
当店での計測環境とお客様のご使用精度って多少のズレが出ます。
すると、当店ではバリバリの精度が計測できてても、お客様の手元では遅れたり、
少し進みが大きかったりって事が起きるんですね。
だので、たいていはご説明しましてから遅れないように少し進み気味で調整を致しております。
さて、色々ごちゃごちゃと書き連ねましたが、正直お客様ごと、時計ごとによって
必要な情報も、対応も、作業も違うと思うのです。
気になることなどありましたら、お気軽にご連絡ください。
チョット滞り気味ですが、こつこつ修理事例を書いてますので読んでください…!
