■タグホイヤー 自動巻きムーブメント「キャリバー11」 金色の輪がテンプ
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ゼンマイの動力が輪列を動作させ、輪列後端にあるアンクルがテンプを規則正しく往復振動させます。(逆にテンプがアンクルを規則正しく往復運動させてもいます。)
”時計の心臓部”と呼ばれるテンプの動きが速いほど秒針はスムーズに進み、遅ければぎこちなく進んで行きます。
さらにこのテンプが動く速度を「○○振動」と言いますが、これは1時間や1秒間当たりにどれだけ動いたか(※1”往復”ではないので注意※片道で1”振動”と数えます)を表しています。
18,000~36,000(5~10)が一般的で、28,800振動が現在の基準振動数と言われています。
”ロービート”と呼ばれる18,000振動は1秒間5回、エルプリメロやグランドセイコーのメカニカルハイビートなど高速な”ハイビート”と呼ばれる36,000振動は1秒間に10回動いています。
機械式時計の特徴
古くより多くの時計技師たちによる改良が重ねられてきた伝統技術の結晶である機械式時計には、優れたポイントと注意しなければならないポイントが存在します。
・電池切れが無い
・長い歴史と高いステータス性を持つ
機械式時計は、自動巻き式でも手巻き式でも、ゼンマイの動力があれば止まることなく動き続けます。
物理的にパーツが存在すれば、半永久的に使うことができ、また修理会社によっては
部品を作り出すこともできます。
・定期的なオーバーホールが必要
・電池式に比べると精度が落ちる
機械式時計は電池式時計に比べて、多くのパーツが複雑に組み込まれているため、故障のリスクがあります。
そのため、油の洗浄や補充、パーツ交換、精度調整などを含めた定期的なオーバーホール(分解整備)が必要となります。
機械式時計ムーブメントの現在
ここ数年来、各メーカーとも機械式時計の基本構造や素材の改良が進んでいますね!
毎年発表される新しいテクノロジーや斬新なデザインに新素材の採用など。
これは自動工作精度や素材研究の進歩など、時計製造における技術革新が行われた結果で、見ていると非常に楽しいです♪
■ゼニス
ブランドの先進性を「デファイ」コレクションが担っています。
(ゼニス公式サイトより https://www.zenith-watches.com/ja_jp/collection/defy)
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テンプというか脱進機というか。。。斬新な部品。
■ブレゲ シリコン製二重ひげゼンマイ

(ブレゲ公式サイトより https://www.breguet.com/jp/%E6%AD%B4%E5%8F%B2/%E7%99%BA%E6%98%8E/%E3%83%96%E3%83%AC%E3%82%B2%E3%81%B2%E3%81%92%E3%82%BC%E3%83%B3%E3%83%9E%E3%82%A4#) |
ヒゲゼンマイが180°対称方向に2つ組付けられています。
シリコンは磁気帯びせず、軽く、摩耗しない(と言われている)と良い事ずくめ♪
製品として発売当初は、急にへし折れたり摩耗カスが出ていたりといろいろありましたが、今ではそういった不具合も落ち着いたように思います。
ただ、どれだけ優れた部品と分かっても、いかんせん時計を修理する側から見ると、修理調整が出来ずアセンブリ(部品)交換だけの箇所とも取れますので一抹の寂しさがあります。