時計

非公式実験シリーズ② 自前のインジュニアで耐磁性能の限界に挑む【後編】

おはようございます!Dr. マグネティックこと、店頭スタッフ・スギモトです。
実験の続きが気になって、寝不足になっていませんか?いませんか、それは何よりです。

それはそうと、今日は【後編】をお届けします!

前回までのあらすじ

大勢(2人以上)の読者の為、もっとブログを盛り上げたいと考えたスギモト。
ちょっと無理して買った、自慢のインジュニアの良さを実感する目的も兼ねて、『耐磁性能』の限界を探ることにした。
スペックを超える磁気を発する強敵を前に、果たして自前のインジュニアはどうなってしまうのか!?

 

前回は前フリのみで終わってしまいましたが、後編はいよいよ実験に入ります!
耐磁について取り上げているブログは数多いですが、手持ちの時計を全て実験に捧げるのはきっとそう、ここ宝石広場のスタッフブログだけでしょう!(未確認)

それでは、さっそく時計を磁気にさらしてやりましょう!
…っとその前に、まずは磁気フリーな状態で精度を計測します。

DSC04783タイムグラファー(歩度測定器)で精度(歩度)を計測します

本来は色んな角度で計りますが、今回は結果をシンプルにする為、平置き(文字盤上)の状態に統一して計測してみます。
ちなみに前回紹介した最新型は、カメラで撮ると画面が見辛いのでやめました。

実験前の計測結果がこちら。

被検体A:古いGP(ジラール・ペルゴ)
歩度: -2秒 (一日に換算した差)

被検体B:ベル&ロスのダイバーズ
歩度: -4秒

被検体C:本命のインジュニア
歩度 +1秒

ふむふむ。
ベルロスは若干遅れが出ていますが、その内調整すれば良いので一旦置いておきましょう。GPは古い上にオーバーホールを怠っているので、もともと不安定です。

さぁ、 いよいよ最初の実験です!
一発目は“外敵①ノートPCのスピーカー”です。磁気の強さは8,000A/m程度。おっかなビックリ、時計をスピーカー部分に密着させます。

地獄絵図「ちょっと時計外して休憩しよっかな」と小芝居を入れる

*良い子は絶対に真似しないでね!

うっかりやってしまいそうなシチュエーションですね!
というか、パソコンメーカーはユーザーの時計を帯磁させたいのでは?というスピーカーの配置です。

DSC04794

放置すること10分…。
一番無防備なGPを、方位時針に近づけてみます。
きっと磁気まみれになっているはずなので、グールグルと回るでしょう。

DSC04795

…ん?全然動かない?

◆◇外敵① (8,000A/m程度) 計測結果◇◆
 被検体  実験前 (秒/日) 実験後 (秒/日)
 A  古いGP  -3 -5
 B  ベルロス ダイバー  -4  -2
 C インジュニア  +1  +1

*計測後、全ての時計の磁気抜きを行っています。

おぉ、3本とも意外にピンピンしてますね。歩度の変化も誤差の範囲です。
PCがヘッポコ過ぎたんでしょうか?

それなら、もっと強い磁気を発するであろう、iPhone6sに登場してもらいましょう。

外敵②iPhone6sのスピーカー (10,000-20,000A/m程度)

「あーしまった!!」と小芝居を入れつつ「あーしまった!スマホの上に時計を置いちゃった!」

*良い子は絶対に真似しないでね!

うっかりiPhone6sのスピーカー部分に時計を載せてしまいました。これもやってしまいがちな危険行為です!実に自然ですね。

PCより2倍程度強い磁気をx期待できるx発生させるハズのスマホです。
さすがにこんなパワーを浴びては非・耐磁時計はひとたまりもないのでは?!

◆◇外敵② (10,000-20,000A/m程度) 計測結果◇◆
 被検体  実験前 (秒/日) 実験後 (秒/日)
 A  古いGP  -3 -6
 B  ベルロス ダイバー  -4  -4
 C インジュニア  +1  +1

…アレ?ちっとも変わって無い。

どうしたiPhone!どうしたapple?!
そろそろ磁気帯びしてくれないと、企画が成り立たないじゃないか!

変化が無さすぎてつまらないので、もうちょっと強力な外敵に飛び入り参加してもらいました。

飛び入り外敵

これはキケンな香りこれはキケンな香り

女性スタッフに急きょ借りたハンドバッグです。
この留め具に使われている磁石は強力で、手元の資料によると密着状態で72,000A/mもあるとか。実にスマホの3倍以上の数値です。

まぁ、バッグの留め具部分に時計を挟む人はいないでしょうから、実際にはもっと低い数値になるでしょうか。
それでも、女性の時計が磁気帯びする原因としては、かなり有力です。

「傷がつかないようにここに置いておこうっと」「傷がつかないようにここに置いておこうっと」

*良い子は絶対に真似しないでね!

こんな感じでうっかり留め具の上に時計を置いてしまうかも?いや、置くに違いない!

◆◇飛び入り外敵 (72,000A/m) 計測結果◇◆
 被検体  実験前 (秒/日) 実験後 (秒/日)
 A  古いGP  -3 -3
 B  ベルロス ダイバー  -4  -4
 C インジュニア  +2  +1

…。

何故だ。なぜ少しも磁気帯びしないんだ!!おかしいじゃないか!この時計プラスチックで出来てるのか!?

思う通りの計測結果が出ないので、最早『どうすれば磁気帯びさせられるか』という実験になりつつありますが、最後の刺客に登場願いましょう。

外敵③自費で購入したピップエレキバン80 (63,660A/m)

DSC04806

もうこれしかないでしょう。数値こそ先程のバッグに及びませんが、小さいボディにとんでもない磁気をため込んでいます。これなら…。
何せパッケージにも『時計に近づけるな』と書いてあります。

DSC04805 - コピー

もちろん近づけます。

「ちょっと机に置いておこう」「ちょっと机に置いておこう」

あーコレ良くある!良く見る光景です。
お爺ちゃん愛用のエレキバン置き場に、“うっかり”時計を置いてしまう事ってよくありますよね!
ちびまる子ちゃんやサザエさんでも、3~4回は放送された定番のシーンな気がします。

タイトル『歪む時間』タイトル『歪む時間』

現代アートのような絵面になってますが、遊んでいるわけではありません。実験中です。仕事です。“I’m doing this for living”です。

今回は入念に、30分くらい放置してみました。

『頼む、磁気入っていてくれ…!』

このままではこの企画終われません。頑張れ、頑張れエレキバン!!
人生で初めてピップエレキバンを応援しました。おそらく製造元の”ピップ株式会社”よりも強く。

さぁ来い!!

DSC04812+040 s/d

やった…やったぞピップ!GPは見事に(?)帯磁しています。
一日に40秒も進めば、5日後には3分以上進んでしまいます。こりゃあ大変です!

ベル&ロスも測ってみましょう。

DSC04815+001 s/d

ありゃ?こっちはそんなに変わってない。

◆◇外敵③ 計測結果◇◆
 被検体  実験前 (秒/日) 実験後 (秒/日)
 A  古いGP  -3 +40
 B  ベルロス ダイバー  -4  +1
 C インジュニア  +1  +1

GPはモロに磁気帯びしていますが、ベルロスは軽傷、インジュニアに至っては全く変わっていません。うーん、やはりダイバーズ特有の分厚いケースが、内部のムーブメントを守ったのでしょうか?

 

■結論
・思っていたほど簡単には磁気帯びしない
・でも一度磁気帯びすると、極端に精度が悪くなる
・薄い時計の方が影響を受けやすい
・インジュニアの耐磁性はすごいけど、もしかしたらそこまで必要性無いのかも?
・エレキバンはすごい

エレキバンは凄かったです。

 


 

もしかすると、もっと長い時間磁気にさらすと、結果は違っていたかもしてません。事実、磁気帯びで当店に時計を持ち込まれるお客様はとても多いです。まさか皆さんエレキバン愛用者、というわけでは無いでしょうから。

当店のメンテナンススタッフによると、スピーカー類よりもモーターに使われている磁石の方が脅威になり得るらしいです。実際、車のパワーウィンドウや、自動ドアが原因と思しき事例が過去あったそうです。
また、磁気帯びしていてもタイムグラファー上では計測されないこともあるそうなので、油断は禁物のようです!

*ちなみに、前回名称が不明だった磁気抜き機ですが、正式名称は『磁気抜き器(消磁器)』らしいです。

DSC04818

そのままやんけ

 

★ここでプレゼントのお知らせです。
今回、実験に使用した自前の“パッケージ開いてるピップエレキバン80”を、余ったのでプレゼント致します!
『ブログ見た』と店頭でお伝え下さい。
先着数名or”もう良いかな、誰も来ないし…”となるまでの限定です。

それでは私は腰にエレキバンを貼る作業に移ります。
次回もブログで、Let’sマグネティック!

 

*今回の実験も、インジュニアを自慢したいスギモトのおふざけ半分です。
油断すると実験結果よりも耐磁してしまう可能性もありますので、くれぐれも時計は磁気から離してご使用・保管下さい!

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