時計

ミリタリーからSFまで|幅が広く多様なバリエーションを持ったブランド『ハミルトン』【時代】勇気を持って【流れる】

さて時計について久しぶりに書いてみようかと思います。というよりも本来の姿(ブログの)とは何でしょう?というように禅問答状態が続くスタッフ・タカギです。

いつも悩むポイントとしてどのブランドのどの時計にスポットを当てるかという事です。単純にメジャーな時計とかを題材にすると非常に難しい。

かと言ってマイナー路線やニッチな存在などを題材にしても独りよがりな内容になりそうだし・・・このブログを書き始めた頃はデイトナやサブなど、なるべく普段見ない視点からアプローチして書き上げるようにしてました。

本日のお題は『HAMILTON』

さてここで本日のお題は『HAMILTON』です。ハミルトンというと最近ではタグ・ホイヤーでブログを一本作りましたが、今回は違います。そっちのハミルトンではなく、あっちのハミルトンです。どこのハミルトンかと・・・

ハミルトンの歴史

1892年にUS・ペンシルバニア州に誕生した『HAMILTON』です。

鉄道時計として最初にスタートをきりました。正確な時間と耐久性を兼ね備えた時計が必要とされ、見事にその要求に応えた懐中時計を作りました。

1892年というと今から117年前でが、数字で書くと『ああ100年ちょっと前ね』となったりします。1892年、アメリカでは大統領選挙があり民主党のグローバー・グリープランドがアメリカ史上唯一の返り咲き大統領となっています。そして1800年代後半はエジソンの発明・電話機を発明したベル・ガソリン車を一般的にしたフォードなどアメリカ史の中でもエキサイティングな時代だったのでしょう。

その経済的要素や必要とされるべくして生まれた『HAMILTON』です。

実際どのくらい前?という疑問に対して映画『タイタニック』の時代背景のちょっと前という感じです。

ミリタリー時計のイメージを確立したハミルトン

アメリカの発展と共に歩んできたハミルトンですが、鉄道時計から次の一歩に踏み出します。それは空です。

アメリカ空軍の要請で航空時計を作り出しました。HAMILTON=ミリタリー時計のイメージが完成です。

実用時計だけではなかったハミルトン

陸で培った技術を空へ応用し実用時計に強いメーカーかと思いきや、そんな事ありません。
アールデコデザインの代表作でもあるパイピング・ロックを発表しています。

アール・ヌーヴォーの曲線的美しさを取り入れ、1900年代初頭の工業的発展に伴う時代の流れを汲み取ったデザインです。

そのアールデコの様式を使った有名な存在が、ニューヨークにある【クライスラービル】でしょう。特に突塔のデザインが象徴しています。
これがバイビングロックですが、復刻版ですのでちょっと雰囲気が出ていない気がします。大恐慌と共にアール・デコが衰退してしまいました。

 

やはり流行と共に影ながら支えていたミリタリーですね。

これは以前ブログでも取り上げましたがなかなか興味深く面白いです。そんなに古い物ではないですが・・・ミルスペック。
実際第二次世界大戦では相当数の時計が納入されたようです。やはりアメリカ軍にはMADE IN USAなんでしょう。

アール・デコのデザインで華やかな世界を謳歌した時計を作りながらミリタリーという実用時計を作る技術を持ち合わせた懐の深いハミルトン。

偉大なアイコン「ベンチュラ」

ここで絶対に外せない存在は・・・ベンチュラじゃないでしょうか。これはもう歴史的存在であり一つの偉大なアイコンだと思います。

1957年に発表された世界初のエレクトリック・ウォッチ【ベンチュラ】。

これはもうそのスタイリングだけでご飯3杯はいけます。革新的であり唯一無二のデザインと言っても過言ではない。

デザイナーはリチャード・アービブ(インダストリアルデザイン)がおこないました。

キャデラックのデザインも彼です。現代の車にはないデザインですね。ちょうど映画【アメリカングラフティ】の時代設定と変わらない位です。

アメリカ=自由の国=華やか。映画を見た事ある方ならなんとなくイメージ出来るかと思います。これに対してエルビス・プレスリーが使ってうんちゃらとか言ってたら恥ずかしい。

このデザインが時代にピッタリと合いその存在感に魅了されてプライベートでも使用していたという事でしょう。
この円形でもなく四角形でもない形を組み合わせ、全く新しい形を作り出すデザイナーの凄さです。時計(ベンチュラ)はこの形ではくてはならない。

アメリカを象徴する存在なので、スミソニアンにも収蔵されています。何かに似ているという思いを一切持たせない偉大な時計です。

もう一つ気になる存在「X-01」

でも私個人的にはもう一つ気になる存在。【2001年宇宙の旅】で使われていた時計です。Space Odyssey ですよ!宇宙=こんな感じというイメージを作り上げた傑作。

モデル名はX-01。

アーサー・C・クラークとスタンリー・キューブリックが作り上げたSF映画です。通常SFといえば夢のような世界を作り上げるのが、今では当たり前ですが、この作品は科学的に見てもある程度正しく描写されています。

そんな本気で作り上げた映画に使うため【HAMLTON】に時計を依頼する。

そしてLEDデジタル表示の「パルサー」へ

ベンチュラから始まり・・・これで決定です。

パルサー!LEDデジタル表示を採用し近未来をイメージして作られました。この写真のモノは復刻ですがオリジナルと大きく変わりはありません。

今見ても未来な感じがします。世の中の流れはデジタルになっていくのだろうと思わせる
強烈なインパクトをもっています。

ベンチュラとパルサーという未来を形にしたハミルトンに依頼すれば未来の時計が絶対できると思います。

今見ても普通にスペーシーな印象を受けます。実際MIBⅡでも使われています。

ハミルトンほど幅が広く、そして多様なバリエーションを持ったメーカは非常に珍しいです。一度手にとって見て下さい。

ABOUT ME
タカギ
【宝石広場 店頭スタッフ:時計業界歴30年以上? / 好きなブランド:ロレックス】90年代に本場スイスで時計業界に携わっていました。 最近痛感したのはいつの間にかビンテージ”になってしまった90年代後期の時計達を見ながら、自分がこの業界に入った時は現行新品でしたという現実。 バイクと時計をこよなく愛し終わらない機械式人生を過ごしてます!

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