清水デース
第2回:ZENITH
創業者であるジョルジュ・ファーブル=ジャコの、「天空の頂点に輝く星のように最高のムーブメントを製造する」という決意から、「天頂」を意味する「ゼニス」と名付けられました。
ブランドの代名詞ともいえる名機「エルプリメロ」を筆頭に、他社に供給もされるような安定した機械作りに定評があります。
前進的なデザインと高精度な機械を両立し、他を牽引するブランドのひとつと言えます。
シリーズ名
◆エルプリメロ
1969年に発表された一体型自動巻きクロノグラフムーブメント「キャリバー3019PHC」に付けられた名称で、エスペラント語「El Primero=No.1」の意味。ムーブメントだけでなく、搭載されたモデル名としても使われています。
毎時3万6000回の高速振動で、0.1秒までクロノグラフ計測が可能。ハイビートとしては長時間の50時間を超えるパワーリザーブの両立に成功したムーブメント。
◆デファイ
1960年代後半のオリジナルモデルに由来し「挑戦する、歯向かう」などの意味。存在感のあるボリュームとタフなデザインで強烈な存在感を放っていたシリーズ。
2017年に刷新され、スタイリッシュな外観にチタンやレア素材を用い、耐久性と軽さを両立するなど、現代的にブラッシュアップされました。
◆クロノマスター
機械式クロノグラフの第一人者らしい、クロノグラフのマスター「長、主」などの意味。
エルプリメロを搭載したクロノグラフモデルのシリーズ。1969年初代のカラーリングを踏襲した1969や、文字盤いっぱいにムーブメントを鑑賞できるフルオープンなど豊富なラインナップ。
世界で初めて英仏海峡を飛行機で横断した冒険家パイロット、ルイ・ブレリオがゼニスのパイロットウォッチを愛用していたこと、またゼニスがフランス空軍用のパイロットウォッチを開発していたことから、「PILOT」商標を獲得。ゼニスだけが文字盤に刻印できるようになりました。

1994年にエルプリメロをベースに再設計された、超薄型自動巻きムーブメント。またそれを搭載したシリーズのネーミング。
余計な装飾や機能を省き、シンプルかつ堅実で、エリートビジネスマンに相応しい洗練されたシリーズ。

30分積算計の多色使いモデルがあることによりレインボーとされたと言われがちですが、実際には単色モデルもあり、1934年のアメリカズ・カップで優勝した「レインボー号」が由来。
エルプリメロ復活の象徴として92年に誕生したたクロノグラフモデルのシリーズ名に採用された。フランス国防省の製造基準に基づいて製造された、高精度で高耐久性を誇る。

モデル名
◆エルプリメロ21(デファイ)
2017年に発表された、新型ムーブメントエルプリメロ 9004が搭載された「21世紀」のエルプリメロ。36000振動のハイビート、50時間パワーリザーブはそのままに、時刻用とクロノ用の2系統の機構になったことで1/100秒の計測が可能。またついにハック機能が付きました。
◆エクストリーム(デファイ)
エクストリームは「極限、極度」などの意味。限界に挑戦する、という創業時からのあくなき探求心が感じられるネーミング。名前に負けないビッグサイズにインパクト大のデザインが特徴でした。2008年頃に生産終了してしまいましたが、2021年にデファイ21に搭載のエルプリメロ9004を搭載し、八角形のベゼルが印象的な洗練されたデザインと、最新のムーブで生まれ変わりました。
Vibration per Hour「1時間当たりの振動」という意味。 1時間にテンプが36000回(毎秒10回)振動する時計ということで36000VPHとなった。

エルプリメロが誕生から50年目を記念して2019年に発表。1969年製のエルプリメロキャリバー「A384」を搭載・復刻した。「復活、再生」などの意味。

スペイン語、ポルトガル語で「刀剣」の意味。1970年代頃の初期のエルプリメロに付けられていたネーミングを踏襲している。

ギリシャ語で「共に見る」の意味。文字盤の開口部からムーブメントを鑑賞できるようになっているライン。

17世紀のジャマイカ南東部にあった港湾都市の名称。英国王室が海賊の本拠地として公認していた地。

レインボーフライバックコレクションの後継機として誕生したシリーズ。地上36.5kmを上回る成層圏(ストラトス)の意味。
フライバッククロノグラフと回転ベゼル機能が搭載されたハイスペックライン。

1950~1960年代にかけて製造していたクラシカルなライン「キャプテン」からのリファイン。クロノメーターコンクールでさまざまな賞を受賞した経歴があるモデル。現在では生産終了。

航空機に搭載されるクロックの仕様書の名称。温度変化、湿度や気圧、磁気などに耐え、高い視認性と操作性が求められる仕様書の内容に沿って製作されました。
暗所でも目視できる大きなインデックスに夜光、操作が容易なタマネギリューズ、幅広いクロノプッシャー、瞬時に認識できる時針分針のデザインと、パイロットウォッチのためのノウハウが詰め込まれています。

今週のカッコいいモデル名
ゼニス/クロノマスター リバイバル シャドウ 97.T384.4061/21.C822
ブラックでもダークでもなく「シャドウ」なのがカッコいいです。70年代に存在した、「幻」のブラックケースのクロノグラフ(プロトタイプだったためモデル名も型番もなかった)をオマージュしたという、誕生秘話もカッコいいこちら。
マットなブラックのチタンケース(指紋が目立たないのが良い)にブラック・グレーのツートンダイヤルがさらに無機質感を増していて一貫した姿勢がクール。とはいえ夜光はバッチリ効いていて視認性も抜群。
レザーではなくナイロンなのが、いにしえのメカ感があってグッときます。
シャドウで思い浮かべるのはFF6のシャドウさん。仲間にならないやらリルムとのイベントが発生しないやらバトルでの使い勝手がイマイチやら、なかなか手のかかるキャラでしたがお気に入りでした。幼女と成人男性の組み合わせというヘキに開眼した要因のひとつです。業が深い。
ご紹介した商品

ゼニス
クロノマスター リバイバル シャドウ 97.T384.4061/21.C822