ディープなブログ担当アイバです。
今回はとても珍しい懐中時計が入荷しましたのでご紹介します。
ハワード エドワード・ハワード “ブルーサファイア”
宝石広場で何でポケットウォッチ?と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
確かに宝石広場ではあまりポケットウォッチを扱いませんが、この時計は当店のお客様に持っていていただきたい特別な時計です。
ハワード(Howard)とは?
まずはハワードの説明から、ハワードは1850年代から高品質の時計を作り続けたアメリカンポケットウォッチの名門です。
他のメーカーが普及品から特別に作ったハイエンドモデルまで幅広くラインナップしたのに対し、ハワードはハイエンドのみを作っていたのが特色でした。
1902年にケースの供給で有名なキーストンに買収されますが、それまでのモデルを『オールドハワード』、それ以降のモデルが『キーストンハワード』と呼ばれます。
札幌市時計台がハワード製だったり、ハワードの社長を務めたフロレンタイン・アリオスト・ジョーンズが、後にスイスに渡りIWCを設立したりとウンチクには事欠きません。
ちなみに…
技術者でもあったジョーンズは、『ジョーンズ・キャリバー』と呼ばれるムーブメントを開発。
当然ですが、このジョーンズ・キャリバーはオールドハワードの流れを組む造りになっています。
現代でもIWCの高級ラインの手巻ムーブメントは、オリジナルのジョーンズキャリバーの特徴とその名を受け継いでいますね。
一般的に人気の高いのがオールドハワードで、そのグレードの高さと生産個数の少なさ(単純に平均してしまうと一日に10個弱だそうです)からポケットウォッチファンからの支持を受けています。
キーストンハワードはミドルグレードも製作していたことで、一般的にオールドハワードより低い評価を受けますが、この「エドワード・ハワード “ブルーサファイア”」だけは例外。キーストンハワードが特別に作ったトップモデルで、文献によるとわずか300個が製造されたとされています。
通称の“ブルーサファイア”はムーブメントの受石がブルーサファイアで作られているところからで、アメリカ史上もっとも高品質な時計とも呼ばれ、アメリカ製ポケットウォッチの最高峰の一つです。
テンプ受けに緩急針のないのは完全調整品であるという証で、当時6姿勢の高精度な調整をされていたようです。
その底にはメーカー証明書が貼られています(シリアル88番と縁起がいい数字です)。
それによると当時350ドルの定価が付いていた模様。5%の戦争税が掛かっていますが、このモデルは1920年頃の製造なので、第一次世界大戦でしょうか?
アメリカのディーラーに販売するのは簡単なのですが、なるべく日本の国内に留めておきたいために店頭販売いたします。
値段が値段だけになかなか手は出ないと思いますが、懐中マニアの方、是非見にいらしてくださいませ。
楽しく読ませて頂きました。
ランキングぽちしておきます。
[…] 前回の私のブログで紹介させていただきましたエドワード・ハワードですが、 おかげさまで無事?販売させていただきました。 ありがとうございます。 かなりマニアックな時計ですの […]